資金管理の重要性

 本日は、資金管理の重要性について解説します。

 企業は、現預金が無くなった時点で倒産です。
 よって、現預金が無くならないよう、資金管理をする必要があります。

 適正な現預金の残高はどれくらいでしょうか。倒産回避という観点から見れば、現預金は多ければ多い方が良いでしょう。
 主要取引先が倒産した…食中毒が発生して店舗を1カ月間閉めなくてはならなくなった…等、不測の事態が起きた時に耐えうるだけの資金量を、保有しておくことが備えになります。
 月商1カ月分は最低ライン、中小企業の場合は、月商の6ヶ月分ぐらいを目指しても問題ありません。上場企業の場合は、無駄に現預金を積み上げると経営能力を問われるケースがありますが、中小企業の場合は倒産回避が第一です。

 ただ、倒産を心配しすぎて、本来行うべき投資を行わずに貯金をし続けるのは本末転倒です。

 資金繰り予測はどれくらい先まで行えばよいのでしょうか。
 今月、来月の入金予定と支払い予定の額を管理している企業は比較的多くありますが、6か月先の資金管理を行っている企業となると極端に少なくなります。試算表や資金繰り表を作成しておらず、決算を締めてみないと税額の見当もつかないという企業があります。思ったよりも利益が出た場合、税金の支払いをどうしようかと
悩むことになります。

 最悪の場合、帳簿の改ざんなど、法令違反を犯してしまう原因にもなりかねません。ひとつの例ではありますが、税額などはある程度事前に予測ができます。最低でも6カ月先、できれば1年先までの資金繰り予測は立てておきたいものです。

 資金に窮すると本来の経営が出来なくなります。資金繰りのことばかりが気になり、お客様のことが考えられなくなります。そうならないためにも、資金管理を普段からしっかりと行い、必要であれば早めに資金手当てに動くようにしましょう。不測の事態が起きてから銀行に融資を申込みに行っても貸してはもらえません。明日の食中毒に備えて、今日、資金の手当てをしておくことが大切です。

 当事務所では、倒産の危険をいち早く回避出来るよう、顧問先様の資金管理をサポートしています。
是非ご相談ください。


2016年08月22日